題璿公山池(李頎)
題璿公山池
璿公の山池に題す
璿公の山池に題す
遠公遁跡廬山岑
遠公遁跡す 廬山の岑
開士幽居祇樹林
開士幽居す 祇樹の林
- 開士 … 菩薩のこと。
- 士 … 『全唐詩』には「一作山」とある。
- 幽居 … 俗世間を離れて静かに暮らすこと。
- 祇樹林 … 祇園精舎の林。璿公の寺の林を指す。
片石孤雲窺色相
片石孤雲 色相を窺い
- 片石 … 一片の石。
- 孤雲 … ひときれの雲。
- 雲 … 『全唐詩』では「峯」に作る。
- 色相 … 仏教で、見ることのできる形や姿。
清池皓月照禪心
清池皓月 禅心を照らす
- 清池 … 清らかな池。
- 皓月 … 白く輝く月。
- 皓 … 『全唐詩』には「一作白」とある。
- 禅心 … 悟道三昧の境地に入っている心。
指揮如意天花落
如意を指揮すれば天花落ち
- 如意 … 僧がもつ法具。先の曲がった形をした棒。
- 指揮 … ふるう。
- 天花 … 天上の花。
坐臥閒房春草深
間房に坐臥すれば春草深し
- 間房 … 静かな部屋。
- 坐臥 … 寝起きする。
此外俗塵都不染
此の外 俗塵 都べて染めず
- 此外 … このあたり。
- 俗塵 … 世俗の汚れ。
唯餘玄度得相尋
唯だ玄度を余して相尋ぬるを得しむ
- 唯余 … ただ~だけは別だ。
- 玄度 … 晋の許詢の字。高僧支遁と交わり、山水を歩き回ったという。ここでは作者自身をなぞらえている。ウィキペディア【許詢】(中国語)参照。
- 得相尋 … 訪問させてもらうことが出来る。
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