克己復礼
克己復礼
- 出典:『論語』顔淵第十二1(ウィキソース「論語/顏淵第十二」参照)
- 解釈:私欲に打ち克ち、社会生活の規範である礼に則って行動すること。「克己」は、自分のわがままや欲望に打ち克つこと。「復礼」は、礼の本質に立ち返ること。または、礼を履み行うこと。「己に克ちて礼に復る」「己に克ちて礼を復む」とも。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
顏淵問仁。子曰、克己復禮爲仁。一日克己復禮、天下歸仁焉。爲仁由己。而由人乎哉。
顔淵仁を問う。子曰く、己に克ちて礼に復るを仁と為す。一日己に克ちて礼に復れば、天下仁に帰せん。仁を為すは己に由る。而して人に由らんや。
- 顔淵 … 前521~前490頃。孔子の第一の弟子、顔回。姓は顔、名は回。字が子淵であるので顔淵とも呼ばれた。魯の人。徳行第一といわれた。孔子より三十歳年少。早世し孔子を大いに嘆かせた。孔門十哲のひとり。ウィキペディア【顔回】参照。
- 克己 … 自分のわがままや欲望に打ち克つこと。
- 復礼 … 「礼に復る」と読み、「礼に立ち返る」と訳す。また「礼を復む」とも読み、「礼を履み行う」と訳す説もある。
- 為仁 … それが仁である。
- 一日 … 一日だけでも。
- 帰仁 … 仁徳になびき従う。「帰」は、帰服する。
- 為仁由己 … 仁を行なうのは、自分自身の力によってできる。
- 由人乎哉 … (仁は)他人の力にたよるものであろうか。(決して他人の力にたよってできるものではない。)反語の形。「乎哉」は、「や」と読む。
- 詳しい注釈と現代語訳については「顔淵第十二1」参照。
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