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君子之に居らば、何の陋か之れ有らん

くんこれらば、なんろうらん
  • 出典:『論語』子罕第九13(ウィキソース「論語/子罕第九」参照)
  • 解釈:君子が行って住めば、何のむさ苦しいことがあろうか。孔子が東方の未開の地に住みたいと言われた。ある人が「東方は文化が低く、むさ苦しい所ですが、どうしますか」と言ったところ、孔子が答えたもの。
  • 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子欲居九夷。或曰、陋、如之何。子曰、君子居之、何陋之有
きゅうらんとほっす。あるひといわく、ろうなり、これ如何いかんせん。いわく、くんこれらば、なんろうらん。
  • 九夷 … 東方の未開の地。
  • 或 … 「あるひと」と読む。
  • 陋 … むさくるしい。野蛮なところ。
  • 如之何 … 「これをいかんせん」と読む。どうするつもりですか。どのようにして住むつもりですか。
  • 君子 … 宮崎市定は「孔子が自ら君子を以て任ずることは、どう考えても不自然である。……文中の君子は實は單なる二人稱に過ぎないのである。君子これに居らば、諸君が行ってくれるなら、諸君と一緒ならば、の意であり、……」といっている。『論語の新研究』138頁以下参照。また荻生徂徠は、君子は士大夫の通称であり、孔子はこの言葉を避けなかったと指摘している。
  • 居之 … そこに住めば。「之」は、九夷を指す。
  • 何陋之有 … 何のむさ苦しいことがあろうか。
  • 詳しい注釈と現代語訳については「子罕第九13」参照。
あ行 か行 さ行
た行 な行 は行
ま行 や行 ら行・わ
論語の名言名句