爾の知る所を挙げよ。爾の知らざる所は、人其れ諸を舎てんや
爾の知る所を挙げよ。爾の知らざる所は、人其れ諸を舎てんや
- 出典:『論語』子路第十三2(ウィキソース「論語/子路第十三」参照)
- 解釈:お前の知っている人物を登用しなさい。お前の知らない優秀な人物は、人が放っておくはずがない。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
仲弓爲季氏宰、問政。子曰、先有司、赦小過、舉賢才。曰、焉知賢才而舉之。曰、舉爾所知。爾所不知、人其舍諸。
仲弓季氏の宰と為り、政を問う。子曰く、有司を先にし、小過を赦し、賢才を挙げよ。曰く、焉くんぞ賢才を知りて之を挙げん。曰く、爾の知る所を挙げよ。爾の知らざる所は、人其れ諸を舎てんや。
- 仲弓 … 前522~?。姓は冉、名は雍、字は仲弓。魯の人。孔子より二十九歳若いという。徳行にすぐれていた。孔門十哲のひとり。ウィキペディア【仲弓】参照。
- 季氏 … 魯の国の大夫、季孫氏。三桓の中で最も勢力があった。ウィキペディア【三桓氏】参照。
- 宰 … ここでは、大夫の家の執事。
- 先有司 … 「有司を先にす」と読み、「まず部下の役人に仕事を任せることが先決である」と訳す。「有司」は、部下の役人の意。なお、伊藤仁斎は「有司に先にす」と読み、「部下の役人たちに先だって行う」と訳しているが、ここでは採らない。
- 小過 … 小さな過失。
- 赦 … 許す。大目にみる。
- 賢才 … 才能のあるすぐれた人物。
- 挙 … 取り立てる。推挙する。
- 焉 … どういう方法で。
- 諸 … 「これ」と読み、「これを」と訳す。本来は「之於」が「諸」に訛ったもの。「之を~に」(之於~)と同じ。
- 舎 … 放っておく。
- 詳しい注釈と現代語訳については「子路第十三2」参照。
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