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洛陽の紙価を高める

洛陽らくよう紙価しかたかめる
  • 出典:『晋書』文苑伝・左思(ウィキソース「晉書/卷092」参照)
  • 解釈:著書の評判がよくて、大いに売れること。「洛陽」は、西晋の都で、今の河南省洛陽市。「紙価」は、紙の値段。西晋の文人左思が十年の歳月を費やして「三都の賦」を作ったが、当初はあまり評判がよくなかった。のちに宰相の張華が絶賛したため、洛陽の人々がこれを聞いて先を争って書写した。そのため、洛陽の紙の値段が高くなったという故事による。「洛陽の紙価たかし」とも。
  • 晋書 … 二十四史の一つ。帝紀十巻、志二十巻、列伝七十巻、載記(五胡十六国の歴史)三十巻の全百三十巻。唐の房玄齢・李延寿らの編。貞観二十二年(648)頃成立。ウィキペディア【晋書】参照。
  • 左思 … 250?~305。西晋の文人。字はたいちゅうりん(山東省)の人。十年かけて作った「三都の賦」がよく売れ、洛陽の紙価を高めた故事で知られる。ウィキペディア【左思】参照。
司空張華見而歎曰、班張之流也。使讀之者、盡而有餘、久而更新。於是豪貴之家、競相傳寫、洛陽爲之紙貴
くうちょうたんじていわく、はんちょうたぐいなり。これものをして、くしてあまり、ひさしくしてあらためてあらたならしむ、と。ここいて、ごういえきそいてあい伝写でんしゃし、洛陽らくようこれためたかし。
  • 司空 … 治水土木を司る宰相職。
  • 張華 … 232~300。西晋の政治家・文人。あざなは茂先。范陽郡方城県(今の河北省廊坊市固安県)の人。著書に『博物志』などがある。ウィキペディア【張華】参照。
  • 班張之流 … 班固の『二都賦』、張衡の『二京賦』を指す。
  • 豪貴 … 勢力があり、身分・家柄などが高貴であること。
  • 伝写 … 書物などを次々と写し取って伝えること。
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