人にして恒無くんば、以て巫医を作す可からず
人にして恒無くんば、以て巫医を作す可からず
- 出典:『論語』子路第十三22(ウィキソース「論語/子路第十三」参照)
- 解釈:移り気な人は、巫女や医者でも救いようがない。南国の人のことわざ。
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
子曰、南人有言。曰、人而無恆、不可以作巫醫。善夫。不恆其德、或承之羞。子曰、不占而已矣。
子曰く、南人言えること有り。曰く、人にして恒無くんば、以て巫医を作す可からずと。善いかな。其の徳を恒にせざれば、或いは之に羞を承くと。子曰く、占わざるのみ。
- 南人 … 南国の人。
- 言 … 「げん」と読んでもよい。言葉。ことわざ。
- 無恒 … 恒常性がない。移り気。気まぐれ。
- 巫医 … 巫と医者。古代では巫と医者は同じ。賤業とされていたらしい。
- 作 … 「為す」に同じ。
- 不可以作巫医 … 古注では「以て巫医を作す可からず」と読み、「巫者や医者でも病気を治せない」と訳している。新注では「以て巫医と作る可からず」と読み、「巫者や医者にもなれない」と訳している。
- 善夫 … いい言葉だなあ。文末・句末におかれる「夫」は「かな」と読み、「~だなあ」と訳す。詠嘆の意を示す。
- 不恒其徳、或承之羞 … 移り気な人は、人から恥をかかされる。『易経』恒卦の九三の爻辞。「承」は「すすむ」とも読む。
- 不占而已矣 … 占ってみるまでもない。占わなくてもわかっている。「而已矣」は「のみ」と読み、「~だけだ」「~にすぎない」と訳す。
- 詳しい注釈と現代語訳については「子路第十三22」参照。
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