言うこと能わざる者に似たり
言うこと能わざる者に似たり
- 論語 … 孔子(前552~前479)とその門弟たちの言行録。四書の一つ。十三経の一つ。二十編。儒家の中心的経典。我が国へは応神天皇の代に伝来したといわれている。ウィキペディア【論語】参照。
孔子於鄉黨、恂恂如也。似不能言者。其在宗廟朝廷、便便言。唯謹爾。
孔子、郷党に於いては、恂恂如たり。言うこと能わざる者に似たり。其の宗廟・朝廷に在るや、便便として言う。唯だ謹めるのみ。
- 郷党 … 郷里。「党」は、五百軒の集落。「郷」は、党が二十五集まったもので、一万二千五百軒。
- 恂恂如 … 温やかで恭しいさま。恭順実直なさま。「如」は、「~という様子」の意。
- 似不能言者 … まるで口がきけないような様子であった。「似~者」は、「~する者に似たり」と読み、「まるで~(の様子)のようだ」と訳す。「似」は、「ごとし」に同じ。
- 其 … 孔子を指す。
- 宗廟 … 祖先の位牌を祀るみたまや。
- 朝廷 … 君主が政務をとる所。
- 便便 … すらすらと話すさま。ハキハキと話すさま。
- 唯 … ただ。ひたすら。
- 謹爾 … 謹厳慎重であった。「爾」は、句末におかれ語調を強める。
- 詳しい注釈と現代語訳については「郷党第十1」参照。
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